レンズを絵筆に、光を絵具に

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進化するマウントアダプター

マウントアダプターとは言っても、最近のレンズを使う方には、電子接点がついたアダプターは当り前の話。レンズとカメラを直接接続したのと同じ状態になるだけですから。

わざわざよけいなパーツを使うからには、いかに付加価値をつけられるかに期待したいところでしょう。

そのためか、いろいろ工夫したアダプターが登場しています。例えば、フィルターを仕込むアダプター。そんなアイデアは思いついてましたが、NDフィルターを付けてもファインダーが暗くならないとは・・・。

今回は、いろいろと進化するマウントアダプターの紹介です。 

 

 
 
 
 

電子接点付き

電子接点付きのマウントアダプターを使うと、オートフォーカスレンズの機能や、どんなレンズを使ったのか、レンズのExif 情報が引き継げます。

 

なお、オールドレンズでは、撮影したファイルにはExif 情報を書き込めません。途中でレンズ交換した場合は、どんなレンズで撮影したのか、なおさらわからなくなります。。。SONYのαシリーズでは、「レンズ補正」アプリを使って、レンズ名を書き込むことができます。しかし、レンズ交換ごとにいちいち設定するのが面倒で、また、「ピント拡大」など、一部の撮影機能が制限されます。また、α7RIIIではアプリが使用できなくなったようです。

 

 

電子接点付きの例

SONY のEマウント向けの電子マウントの例です。

LA-EA4(SONY):SONYのAマウントをEマウントに変換します。トランスルーセントミラーがあり、反射した光がAFセンサーに入り、高速対応を可能にしています。ミラーレスにミラーを追加しているわけですね。

CM-ENF-E1 PRO (Commlite):ニコンFマウントをEマウントに変換します。オートフォーカスやレンズの手ブレ機能が継承されます。

MC-11(EF-E)(Sigma):シグマ製キヤノンレンズ(EFマウント)をEマウントに変換します。非公式ながら、ほとんどのキヤノンレンズ(EFマウント)が利用できるようです。オートフォーカスやレンズの手ブレ機能が継承されます。対応するレンズのデータを組み込んでおり、新しいレンズが出た場合など、下の写真のように、USBケーブルでPCとつないで、ファームウェアのアップデートができます。

 

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MC-11

黄色の矢印で示した位置に小さなLEDがあります。グリーンやオレンジ色に点灯し、対応レンズかどうかや、レンズやMC-11本体のファームウェアのアップデートの必要性を知らせてくれます。アップデートは、写真のように、USBケーブルでPCとつないで対応します。

 

 

次は、EマウントをニコンZマウントに変換するマウントです。

TECHART TZE-01(焦点工房)は、フランジバックの短いミラーレスからミラーレスなので、かなり薄くて、内径の違い(Zマウント:55mm、Eマウント:46mm)から、内側に部品を詰め込んだようです。ミラーレス用レンズをミラーレス用に変換の時代なんですが、こうなると、一番フランジバックの短いニコンZマウントが、より多くのレンズを使えて有利になりますね。

 

オールドレンズでオートフォーカス

次からは付加価値をつけたアダプターの話。

TECHART LM-EA7 を使うと、ラインMマウントのレンズを、Eマウントでオートフォーカスで使うことができます。小型モーターを内蔵しており、レンズ側のマウント面を前後させ、オートフォーカス機能を発揮するのです。最短撮影距離も短くできます。

ただし、重いレンズはダメで、公式には500gまで。とすると、600gほどあるプラナー85mm(CONTAX Planar T*85mm F1.4 AEG)は無理ですね。また、素早い動体の撮影には強くないようです。

 

 

 

 

 

 

以下の2点はキヤノンのミラーレス(EOS-R、RFマウント)用のマウントアダプターで、純正品です。こういうアイデア、Eマウントでも期待したいですね。

 

絞りなどを調整、コントロールリング付き

は、キヤノンのミラーレス(EOS-R、RFマウント)に、EFマウントレンズを装着するためのマウントです。

電子接点付きなので、オートフォーカスや手ブレ補正機構など、EFマウントのレンズの持つ機能をほぼそのまま使用することができます。また、コントロールリングを搭載しており、絞りやシャッタースピードなどを割り当てて、リングで操作できるようになります。

 

フィルターが共通で使えるドロップインフィルター付き

Canon ドロップインフィルターマウントアダプター : DP-EF-EOSRNDは、キヤノンのミラーレス(EOS-R、RFマウント)に、EFマウントレンズを装着するためのマウントです。

ドロップインフィルター搭載で、可変式(ND3から500)NDフィルターがついています。レンズ後ろのマウントアダプターに装着するので、広角や口径の大きい場合など、どんなレンズでも関係なく、NDフィルターを使えるのが便利ですね。

しかも、EOS Rは液晶ビューファインダーを搭載しているので、NDフィルターを使ってもファインダーは暗くなりません。

別売で、円偏光フィルターもあります。

 

マウントアダプターの進化のために

マウントアダプターは、ミラーレスの登場で大きく進化しました。おかげで多様なレンズを使え、さらに、ヘリコイドなど、より便利になることがわかりました。 

しかし、今後、ミラーレス専用の、短いフランジバックに対応したレンズが開発されるようになると、マウントアダプターの入り込む余地はなくなってきます。

 

なので、できれば、ミラーレス用ではなくて、最初からマウントアダプターを使う前提で、一眼レフ用の(長めのフランジバックに対応した)レンズも販売してほしいですね。ミラーレス用には、同じレンズで筒を長くするだけです。

 

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上の図のように、ミラーレス用のレンズを、あえてフランジバックの長い一眼レフ(Xマウント)用のレンズとしても開発するのです。そうすると、マウントアダプターが入り込む余地が残され、多彩なアダプターが登場することでしょう。

 

 

例えば、ヘリコイドを使う前提だと、レンズ側の設計としては、最短撮影距離のために他を犠牲にする必要はありません。

私も、異なるマウントに対応していれば、ミラーレス用(Eマウント)ではなくて、一眼レフ用のマウントのレンズを買うようにしています。例えば、New Trioplan f2.8/100では、ニコンのFマウントを選択しました。おかげで、ヘリコイドやティルトマウントなどが使えます。

 

もっとも、レンズの設計の自由度からみれば、フランジバックは短い方がいいらしいのですが。それと、レンズが長くなるのがデメリットですね。