6回シリーズで、ミラーレスカメラの基本的な話から、ティルトマウントでの撮影例までのシリーズです♪
キヤノンのEOS RやNikon Z 6/7 といった新しいミラーレスカメラが登場し、本格的なフルサイズミラーレスの時代を迎えつつありますね。
ミラーレスカメラは、レンズ交換式ながら、従来の一眼レフカメラに比べて小さくて軽いのが特徴です。
そして、ミラーレスのもう一つの大きな特徴が、マウントアダプターを変えることで、オールドレンズなど、メーカーやマウントの異なる多彩なレンズが楽しめること。
新たに登場したミラーレスが主役かと思っていたら、実は、主役は、再び活躍する機会を与えられたオールドレンズのほうかもしれませんね。今まで眠っていた往年のスターたち、新しいカメラで、どのようなシーンを切り取っていくのか、楽しみです。
ミラーレスと一眼レフの違い
まずは、ほんとの基本から。
一眼レフの「一眼」とは、レンズとファインダーで見る映像が同じ(一つの眼)という意味です。そして、"レフ"とはレフレックス(ミラー)のこと。
下図で斜めの青線で示されたミラーでレンズからの光を反射し、光学ファインダーで見ています。一眼レフで太陽を直接見てはいけない、という理由がわかりますね。
シャッターを押した一瞬、ミラーが前方に跳ね上がって写すことができます。その分、ミラーを動かすスペースが必要になります。
一方、ミラーレスにはその名のとおりミラーがありません。レンズからの光を映像に変換して、電子ビューファインダー(または液晶モニター)で見ています。ミラーシステムが無い分、赤色の矢印で示したフランジバックが短く、ボディも小さくなります。
と言うことは、ミラーレスを「ミラーレス一眼」と言うのはいいのかもしれませんが、「ミラーレス一眼レフ」と言うのは矛盾してますね。
図は Wikipedia を変更。ミラーレスカメラはEマウントを例に示しています。レンズ(Xマウント)は2つのカメラで共通です。一眼レフ用に開発されたレンズ(Xマウント)は、そのマウントにあった長さのフランジバックでなければ、正確にピントが合いません。ミラーレスで、そのレンズ(Xマウント)を使うには、青色で示した部分をつなぐマウントアダプターが必要になります。逆に、多種多様なマウントアダプターが活躍できる空間でもあるのです。
フランジバックとは
フランジバックとは、レンズマウントの取り付け基準面(フランジ)から撮像面(イメージセンサー)までの長さのこと。上の図で赤色の矢印で示しています。
一眼レフのフランジバックは、例えば、以下の長さです。
オリンパス OM:46 mm
一方、ミラーレスでは、短くなります。
下の写真はα7II。左の赤い矢印で示したのが、撮像面マーク。この真下に、撮像面(イメージセンサー)があり、そこからマウント面までがフランジバックの 18mm です。
マウントアダプターが活躍
一眼レフと同じレンズを使う場合、フランジパックが短い分、上の図で示した青い部分を接続するマウントアダプターが必要になります。
逆に言えば、いろいろなマウントアダプターを使うことで、かつてのオールドレンズや異なるメーカーのレンズが使えるのです。
しかも、ヘリコイドでの近接撮影や、ティルトマウントで多彩な表現も可能です。オールドレンズでオートフォーカスが可能なアダプターもあります。
レンズやカメラを支える名脇役のマウントアダプター、どんどん進化しています。次回以降はそのあたりの話です。
なお、マウントアダプターなくても、レンズをカメラからはずして、離して撮影することもできます。ただし、光やホコリも入りやすいですし、片手でピントをあわせるのは至難の業です(笑)。