あの夏も空も花も

写真やレンズの話を紹介するブログ

【2019年4月版】Google AdSense への申請から承認まで

はてなブログでは、プロにすると、Google AdSense(グーグルアドセンス)の広告の掲載が可能です。

私も申請してみたのですが、「 サイトの停止または利用不可 」という審査結果が何回か。。。そんなばかな・・・ちゃんとサイトにアクセスできるのに・・・と思って検索すると・・・。どうやら、サイトがGoogleに認識されていないことや、リダイレクトの設定に原因があったようです。

そのあたりをクリアすると、今度は、価値の低いコンテンツ・・との指摘。結局、とある処置で1日で合格しました♪

 

今回、申請から承認までについて、公式ヘルプで書かれていないことをメインに紹介します。2019年3~4月の情報です。

 

 

審査経過

最初に審査経過から。最初の方、わりと対応が早いのは、自動的に判定しているようです。

 

3月3日 初申請
かつて、とあるサイトで承認を受けていたので、軽い気持ちで、サイトを追加申請。

 

3月8日 不承認/再申請  
結果は、見事に撃沈。問題点として、「 サイト上にコードが見つかりませんでした。 」と「サイトの停止または利用不可」の2つが指摘されるだけで、具体的なエラーや指摘は無し。あらためて基本ヘルプを見ると、独自ドメインが必須なことがわかる。。。

 

3月9日 独自ドメイン取得
で、独自ドメインを取得し、プライバシーポリシーも用意して、再申請。

 

3月13日 不承認/再申請(2回目)  
「サイトの停止または利用不可」とのこと。他のブログを読むと、Googleのサーチボットにサイトが認識されていないことに気がつく。Google アナリティクスと、Googleサーチ・コンソールにサイトを登録し、再申請。

 

3月18日 不承認/再申請(3回目)  
またまた、「 サイトの停止または利用不可 」の返事。なんと、Google に申請したアドレスでは、ブログアドレスにリダイレクトしていなかったことが判明。

リダイレクトの設定を行い再び申請。やがて、「サイトの審査中」に。 「審査手続きの一環として、現在サイトのチェックを行っています。審査には最長 14 日間かかる場合があります。」に。

 

4月2日 不承認 今度はコンテンツ不足  
「サイトは広告を表示できない状態です お客様のサイトで複数のポリシー違反が確認されたため、サイトに広告を表示できない状態です。」の表示。

1. 価値の低い広告枠: コンテンツが存在しない AdSense のプログラム ポリシーに記載されているとおり、ユーザーにとって価値がほとんどないページやアプリ、または広告の比率が高すぎるページやアプリには、修正が行われるまで Google 広告が表示されません。これには、広告配信専用のページや、コンテンツが存在しないページやアプリが含まれます。 詳しくは、次のリンク先の情報をご確認ください。・・・

 

4月 2日   ブログを分割、コンテンツの充実。

4月18日  再申請(4回目)。
「サイトに広告を表示できるようにしましょう。 通常は 1 日足らずで完了しますが、場合によってはそれ以上かかることもあります。サイトのチェックが完了次第、お知らせします。」の表示。

4月19日  準備完了(承認)の表示、広告配信開始。

4月20日  サブドメインを追加、サブドメインでも広告配信開始。

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Google AdSense 承認済画面

 

次に、各項目について、具体的に。

1.独自ドメインの取得

Google AdSense は、2018年10月から、審査に通ったサイト以外(ドメインが異なる場合)でも利用するには、サイトごとの再審査が必要になりました。なお、サブドメインの追加は、承認不要です(サブドメインは承認不要参照)。

はてなブログで利用するには、以下は必須事項とされています。詳しくは、はてなヘルプを御覧ください。

 

1)はてなブログProへの加入

2)独自ドメインの設定:お名前.comで取得、設定しました。

3)ブログに、プライバシーポリシーの表示
 
なお、今回、以下の3つのGoogleサイト(いずれも無料)を利用します。複数のGoogleアカウントを持っている場合、アドセンス関係では、アドレスを統一したほうがいいでしょう。違うIDだと、サイトごとに、ログイン/ログアウトを繰り返す必要がでてきます。
 
Google AdSense(AdSense):広告の設定・管理
Google アナリティクス(Google Analytics) :アクセス解析ツール、サイト訪問者など、流入後の解析ができます。
Google サーチ・コンソール( Google Search Console):サイト管理ツール、検索ワードなど、サイト流入前のアクセス解析ができます。
 

■なぜ独自ドメインが必要なのか

AdSense ヘルプには、独自ドメインが必要とは明示されていないのに、なぜ独自ドメインが必要なのか。無料のブログではなぜダメなのか。

そのあたり、ヘルプには、申請可能なURLが示されています。それは、所有するドメイン名と、"www"で始まるそのサブドメインのみです。

私の場合を例にすると、所有しているドメイン名(paradisia.jp)と、そのサブドメイン(www.paradisia.jp)のみが申請可能です。
 
一方、はてなの無料ブログのURL(paradisia.hatenablog.jp)は、はてなが所有するドメイン(hateneblog.jp)の(多数ある)サブドメインのひとつに過ぎず、ヘルプに示されているように、申請できない無効なURLになります。
このあたり、ヘルプに具体的に明示(無料ブログのサブドメインはダメですよ、とか)してあると親切ですね。
 
 

■ドメインに関する用語

ちなみに、ドメインとは、インターネット上での住所に相当するもので、インターネット通信時にドメイン(ホスト名+ドメイン名)を、IPアドレスに変換(DNS)して通信が行われています。

それぞれの用語について、私のブログを例に説明します。
 
ブログのURL:https://www.paradisia.jp/
プロトコル名:https:// 、インターネットの通信方式(SSLによる暗号化)です。
ホスト名:www 、かつての名残りからか www が多いのですが、www以外でも、なくても可能です。
ドメイン名:paradisia.jp
 セカンドレベルドメイン名:paradisia
 トップレベルドメイン(TLD)名:jp
サブドメイン名:www.paradisia.jp など、***.paradisia.jp はサブドメインの一つです。
 
googleアドセンスでは、所有しているドメイン名(paradisia.jp)で申請し、サブドメイン(www.paradisia.jp)を追加しています。
 

 

2.Google AdSense の申請

詳しくは、はてなヘルプを御覧ください。

 

1)Google AdSense(https://www.google.com/adsense)にログインします(新規の方は登録)。

2)サイト/サイトの追加で、ブログのアドレスを登録します。

 アドセンスの広告コードが示されるので、コピーします。

3)はてなブログで、アドセンスの広告コードを貼り付けます。

  ダッシュボード>設定>詳細設定>headに要素を追加

4)サイトバーに広告コードを貼付けます。

 

3.Googleとの連携

以上をきっちりやったとしても、Google AdSense の審査で、「 サイトの停止または利用不可 」と表示される場合があります。

私もそうでした。ちゃんとアクセスできるのに・・・と思いがちですが、実は、Google 検索ボットから、登録したサイトが認識されていないことが原因のひとつなんです。

サイトを認識してもらうため、Google アナリティクス とGoogle サーチ・コンソールへ、サイトを登録しておきましょう。これらは、高度なアクセス解析等にも便利です。

 

■サイトの停止または利用不可 

Google AdSense からの「 サイトの停止または利用不可 」の指摘は以下の表示です。これだと、URLのスペルミス程度にしか思いつきませんね。もっと具体的な指摘か、ウェブサイトへのリンクがほしいところ。

スクリーンショットを取ってフィードバックを送信して問い合わせても、ナシのつぶてでした。このあたりは、ロボット君が自動的に判断しているというウワサなので、仕方がないかもしれませんが。

 

サイトの停止または利用不可

 お客様のサイトが停止しているか、利用できないことが判明いたしました。お申し込みの際に送信された URL にお間違えがないかご確認ください。サイトが正常に機能している場合は、お申し込みを再送信していただけますようお願いいたします。弊社であらためて審査いたします。

 

■Google アナリティクスへの登録

本来はアクセス解析サイトです。ブログのアドレスを登録し、はてなと関連づけます。

詳しくは: POPULAR POST を御覧ください。

 

1)Googleマーケティングプラットフォーム(https://marketingplatform.google.com/about/)に、Googleアカウントでログインします。

2)ブログのアドレスなどを登録します。

3)「トラッキングIDを取得」します。クリックするだけです。

  示されたトラッキングコード、「UA-******」をコピーします。

4)はてなブログにトラッキングコードを貼り付けます。

  設定>詳細設定>解析ツール>Google Analytics埋め込み

  の位置です。

 

■Google サーチ・コンソールへの登録

1)Google Search Console(https://www.google.com/webmasters/tools/)に、Googleアカウントでログインします。
2)プロパティを追加/ブログURLを入力します。
3)別の方法/HTMLのタグ、で示されたソースコードの一部(content="*****"の"*****"部分)をコピーします。
4)はてなブログの管理画面で、詳細/詳細設定/解析ツール、でコードをで貼り付けます。
5)サイトマップも登録しておきましょう。sitemap.xmlを入力し送信するだけです。
 
これも、詳しい方法は、 POPULAR POST を御覧ください。。
 
 

 

4.リダイレクトの設定

またまた、はねられたので、確認してみると・・・。なんと、アドセンスに申請しているアドレス「paradisia.jp」を打ち込んでも、ブログ(https://www.paradisia.jp)にアクセスできないことがわかりました。"The requested URL could not be retrieved ・・・"となります。これでは、サイトがない・・とおっしゃるわけですね。
 
調べてみると、ドメインを取得したお名前.com での転送設定(リダイレクト)が必要でした。
設定方法について詳細は、リダイアルURL設定マニュアル(お名前.comのpdf)を。方法は、お名前.comにログイン後、
 
1)オプション設定/URL転送設定をクリック
2)ドメインを選択し、設定するをクリック
3)転送先URLにwwwのついたURLを入力(例:https://www.paradisia.jp
 転送タイプは、リダイレクトにする。
4)「確認画面に進む」をクリック
5)転送元URL wwwなし 転送先URL wwwありになっているか確認後、お申込みをクリック。
 例:転送元URL http://paradisia.jp 
   転送先URL https://www.paradisia.jp
 
 
注意:2)で、転送先としてブログのURLをそのままコピペすると、自動的に https://www.paradisia.jp/ となり既に設定済とされ、前に進めませんでした。正しくは、https://www.paradisia.jp と"/"を省く必要がありましたね。この細かい部分がややこしい。。。
設定後、すぐにリダイレクト( http://paradisia.jp にアクセスすると、https://www.paradisia.jp にジャンプ)できました。
 

5.価値のあるコンテンツ

コンテンツ不足の原因は、いろいろまとめた情報系の記事と、単なる花などの写真をだらだらと紹介する記事が混在していることが原因と思われ、ブログを2つに分割しました。似たような名前ですが(笑)。

 

あの夏も空も花も:情報系、このブログです。

光と風とバラと:分割してできた新しいサイト、花などを紹介。paradisia.jp のサブドメインです。

 

記事をコピーして引っ越ししたので、なので、はてなポイントなどはリセットされてしまいました。。。

そして、情報系のブログに数件投稿し、コンテンツを充実した後、再申請。あっさりと、1日で承認されました(笑)。ちなみにメールはきていません。

 

最近は、アドセンスの審査も厳しくなったようで、ブログとしてのコンテンツの充実は不可欠です。以下は私の印象ですが、検索する価値のあるサイトとしては、

 

1)単なるまとめではないこと

 ネットの情報をまとめただけでなく、自分なりのツッコミや体験、工夫が必要です。例えば、デジカメの画像検索(1)を書くに当たり、ネットでいろいろ検索しても、コピペした似たようなサイトは多いのですが、オリジナルコンテンツは少なめでした。

 

2)写真系は不利?

 写真が多いと、見ためページのボリューム感はありますが、文字の情報が少ないため、コンテンツ不足になりがちです。記事の文字数は、編集画面の右下に表示されます。ちなみにこの記事で、6600文字余り。多少美しい写真を並べても、写真自体はあまり評価されないようです。

 

サブドメインは審査不要

独自ドメインで Google AdSense に承認されると、そのサブドメインでは審査を受ける必要はありません。サイトの追加をしても、「 このサイトはすでに追加されています」と表示されます。paradisia.jp のサブドメインである光と風とバラと(fleur.paradisia.jp)も同様です。

ただし、サブドメインを登録しておくことが必要です。「管理画面/サイト/右端の✓/詳細を表示/サブドメインを追加」で、サブドメインのURLを入力します。

これは、広告コードの悪用を防ぐためです。ページのソースを見れば、広告コードが表示されます。登録しておくことで、サイトリストに追加されたサイトのみ、広告が表示され、リストにない第3者のサイトに広告コードが追加されていても、広告は表示されません。

 

表示されない「自動広告」

なお、「自動広告」、スマホやiPadでは機能するのですが、PCでは表示されません。これははてなブログでよくあることのようで、原因としては、まだ記事が少なく、アドセンス側が広告を配信しないと判断しているとか、設定したCSSにエラーがあるとか、の情報があります。とりあえず、今は、個別に設定した広告を表示してます。

 

まとめ

最初は、サイトがGoogleに認識されていないことや、リダイレクトの設定に原因があったのです。このあたり、Google アドセンス側の対応がロボット君なのか不親切なので、はてなヘルプ側で書いてもいいのかもしれません。

一方、コンテンツに関しては、最初から、質の高いコンテンツに心がけましょう。いろいろと書きたい場合は、検索する価値のありそうなサイト(A)と、そうでないサイト(B)を分けたほうがいいでしょう。(B)は毎日更新する他愛もない内容でもOKですが、(A)は更新頻度は少なめでも情報の充実を重視します。(B)を(A)のサブドメインとしておけば、(A)が承認されれば、(B)の審査は不要です。

 

 

 

意外と奥が深い:デジカメの画像処理(1)

今回から3回の予定で、デジタルカメラの撮影から画像処理、ファイル記録の話です。簡単なように思えますが、いろいろな理論や技術が使われていて、意外と奥が深いですね。アナログのフィルムには見られないデジタル特有の問題も出てくる一方、現像という、フィルム時代にはなかなかできなかった楽しみも出てきます。

 

 
デジカメの画像処理の流れ:アナログからデジタルに
画像のデジタル化:まず標本化、そして量子化
標本化定理:走る車のタイヤが逆回転に見えるのは・・
ここまでのまとめ:デジタル化によって、撮影後の楽しみが増えました

 

デジカメの画像処理の流れ

まず最初に、デジタルカメラで写真を撮った時の画像処理の流れを、下の図に示します。私の使っているSONY α7RII を例にしています。基本的には、各社同じ流れですが、SONY α7シリーズ では、RAWファイルも画像処理エンジンで処理されます。

 

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アナログからデジタルへの変換です。最終的に、汎用ソフトで見ることのできるJPEGファイルと、現像処理が必要なRAWファイルへの出力を示しています。

 

1)A-D変換:アナログである光は、イメージセンサー(CMOSセンサー)とA-Dコンバーターにより、14bitのデジタル信号に変換されます。14bitということは、2^14=16384階調、つまり0~16383の数値からなる電流の強弱です。なお、イメージセンサーは色を感じることができないため、1つの画素には1色分だけの情報しかありません。

2)画像処理:カメラ内の画像処理エンジン(BIONZ X)により、一旦、16bit処理されます。いかに速く美しく処理するか、このあたりが、各カメラメーカーの腕の見せ所ですね。

そして、ファイルとして書き出すわけですが、ファイルには、JPEGと RAWの2種類があります。JPEGは汎用性のある画像ファイルで、そのままブログなどに投稿したり、プリントアウトできます。一方、RAWは単なるデータであり、編集してJPEG等に変換しないと見ることも印刷することもできません。SONY α7RII では、それぞれのファイルか両方(RAW + JPEG)の出力が選べます。

3)JPEG記録:JPEGは、汎用性のある画像ソフトで見ることができる統一規格のある画像ファイルです。JPEGファイルとして記録する場合、カメラで設定したホワイトバランスや彩度、コントラスト、シャープネスなどの情報を元に画像処理され、圧縮処理された後、JPEGファイルとして記録されます。1つの画素では、RGB3色についてそれぞれ8bit(合計24bit)の情報を持っています。bit とは、ひとつの画素が持つ色成分の色深度(色の情報)です。8bitで256階調(0~255)の色情報になります。

4)RAW記録:一方、RAWファイルは、できるだけオリジナルデータを残したまま保存するデータファイルです。統一規格はなく、各社、カメラの機種によってファイル形式は異なります。

RAW記録の場合、元の14bitのまま、RAWファイルとして記録されます。 α7IIから、圧縮と非圧縮RAWが選べます。

一般的には、デジタル信号をそのままRAWファイルとして出力するとされています。ただし、SONY α7シリーズ では、画像処理エンジンで処理されます。

なお、示されている bit 情報はSONY の公表値です。

 

【失敗談】

2012年に、オーストラリアを訪れた時の話。当時は、JPEGで撮っていたのですが、なぜか、ホワイトバランスが曇天モードになっていて、せっかくの写真が全て夕暮れのような色合いになってました。。。フランス文化漂うメルボルンだけはいい感じになりましたが。RAWファイルなら、そもそもホワイトバランス等のカメラ設定値を記録していないので、後からいくらでも変更できます。そんなこともあって、それ以来は、基本的にRAW(圧縮)で撮っています。

 

 

以下に、それぞれのステップについてもう少し詳しく紹介します。

 

画像のデジタル化

自然界にある画像情報はアナログ情報です。これをイメージセンサー、例えばCMOSでは光エネルギーを電流に変換します。イメージセンサーから出力される情報自体はアナログ信号であって、A-Dコンバーターでデジタル情報に変換(A-D変換)します。このA-D変換は、次の2つのステップで実行されます。

 

最初に標本化で位置情報を把握し、量子化でその強弱を測ります。デジタル化された最小単位を画素(英語ではpixcel/ピクセル)といいます。

たとえば、SONY α7RII の記録画素数は、35mmフルサイズ(Lサイズ)の場合、横☓縦=7952☓5304画素です。

 

1)標本化:連続した画像(アナログ情報)を画素の配列(デジタル情報)に変換すること

縦横に並ぶ小さなマス目(画素)に記録するわけですが、被写体をどの程度の細かさでデジタル化するのか、細ければ画素が増え、データ量が増えてしまいます。また、標本化においては、どれくらいの間隔でサンプリングするのか、標本化定理(サンプリング定理)が重要になります。

 

2)量子化:アナログの連続的な量を、デジタルの離散的な値に置き換える処理のこと

 連続量である光の強さを数値化します。例えば、0~256の強さで表現すると、その中間値(例えば5.5)は表現できません。

 

標本化定理

標本化定理とは、アナログデータからデジタルデータの変換において、元の信号の2倍以上の周波数でサンプリングを行えば、元の信号を正確に復元できるというもの。逆にいえば、サンプリング周波数の半分の周波数(ナイキスト周波数)までしか再現できないことを意味しています。

画像の場合、一定の距離にある画像を正確に復元するには、その長さの半分以下の狭い測定間隔が必要ということになります。

 

ここで使う言葉を整理しておきます。音と映像で、時間と空間(距離)という違いがあります。

 
アナログ情報:時間又は空間(距離)に対して連続的に存在する情報
デジタル情報:時間又は空間(距離)に対して離散的に存在する情報
周波数:単位時間(Hzの場合は1秒)あたりに繰り返される回数、又は単位距離あたりに繰り返される回数のこと。周波数となっているのは、最初にこの定理を証明されたのが、音に関するA-D変換の話だからです。今でも、CDなどに使われている原理です。
空間周波数:単位長さあたりの繰り返し回数。画像処理では通常1mmあたり。
サンプリング周波数:単位時間あたりの測定(標本化)回数、又は単位長さあたりの測定間隔
ナイキスト周波数:サンプリング周波数の1/2の周波数
エイリアシング:デジタル化で生じた、元の情報にはない雑音やひずみ
テレビに映る走る車のタイヤの回転(高い周波数)が、回転方向とは逆方向のゆっくりした回転(低い周波数)に見える現象も一種のエイリアシングです。これは、テレビの映像が、タイヤの回転周波数より遅い時間間隔で記録されたためで、実際には見られません。
モアレ:映像の場合のエイリアシングの例です。
デジタルカメラ特有の現象で、フィルムカメラではありません。

 

モアレの例

私のカメラで撮ろうと思ったのですが、性能がいいのか発生しませんでした(笑)。ということで、画像はWikipedia から。細かいレンガが並ぶ壁で、左は正しく標本化された場合、右は、右下に本来はない波状のゆがみ(モアレ)が生じています。

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エイリアシング、下図で説明すると、

例えば9Hzの周波数のアナログ信号(青線)を、サンプリング周波数10Hzで測定(単位時間あたりの測定回数が10回)すると、○で示した測定点の値のみを測定したことになります。その結果、周波数の低い緑破線の1Hzの波形であるかのように再現されます。画像の場合、画素の幅も含めると薄緑色の棒で示した値として再現され、9本ある白黒の線が、あたかも1本の線であるかのように見えてしまいます。なお、実際に記録されるのは○で示した測定点のデータであって、薄緑色の棒や緑破線の波形が記録されるわけではありません。

 

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エリアシング

デジタル化では、アナログの波形を記録するわけではありません。一定間隔で信号の強弱を数値として記録します。測定回数が少ないと、たとえば、青の入力信号は、緑破線の周波数の低い波形であるかのように記録されます。

 

映像で考えると、画素ピッチの2倍を超える細かい繰り返し模様からなる縞模様を撮影する場合に生じます。例えば、SONY α7RII の記録画素数は、35mmフルサイズ(Lサイズ)の場合、横☓縦=7952☓5304画素です。高さでいうと5304画素で、正確に表現できる白黒の横線は、単純計算で、撮影画面の高さあたり、その半分の2652本までということになります。

 

ローパスフィルター

この対策として、ローパスフィルターを使います。デジタル録音の分野では一般的に使われています。たとえば、CD録音の場合、サンプリング周波数は44100Hzで、その半分の22050Hz以上の音ではエイリアシングが生じるので、ローパスフィルターで22050Hz以上の音をカットしています。

画像処理の場合、イメージセンサーの前にフィルターをおいて、1つの画素に届く光を他の画素にも分散する(逆にいえば一つの画素に他の画素の光が入り込む)ことで、細かい画像(高周波成分)をぼかしているのです。

SONY α7RIIIの特徴の説明では、ひとつの光束を4画素に振り分けています。なお、α7RIIIにローパスフィルターはありません。

 

しかしながら、ローパスフィルターを使うと、わずかながら解像度が落ちるという欠点が生じます。そこで、最近では、イメージセンサーをより高画素化することで、画素ピッチを小さくし、モアレを発生しないようにした、ローパスフィルターがない(ローパスフィルターレス)カメラも登場しています。

SONYのα7シリーズでも、高画素で機種名にRのつくタイプ(α7Rからα7RIIIまで)はローパスレスで、Rのつかない機種はローパスフィルターがあります。

 

なお、モアレはレンズの影響も受けます。解像度の低いレンズからは、解像度の高いアナログ信号が得られないので、モアレは見られません。

ちなみに、コンパクトデジカメには、最初からローパスフィルターがありません。それは、レンズの解像度より、画素ピッチが細かいからです。

 

ここまでのまとめ

デジタルカメラでは、連続的なアナログデータを、0と1からなる電子データに変換します。独自の画像処理エンジンによって、フィルムカメラではできなかった処理が可能になり、それなりに美しく仕上がります。

最終的に、JPEGとRAWの2つの形式で出力できますが、後の現像処理を考えるとRAWファイルですね。フィルムカメラでは現像を店任せにする場合が多く、修正余地は少なかったのですが、デジタル化によって、撮影後の楽しみが増えました。

撮影時には、連続量をまびいて測定するわけですから、音にしろ映像にしろ、どのようにサンプリングするのか、測定間隔が問題になるわけです。画素数を増やすメリットは、誤った情報の混入を防ぐ意味もあるのです。もっとも、問題になるのは稀で、普通の撮影ではほとんど気になりませんね。

アナログ(フィルムやプリント)は劣化しますが、デジタルだとその心配はいりません。せっかく苦労してデジタル化したのに、写真コンテストでは、プリントアウトして、わざわざアナログに戻していますが(笑)。

 

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シャボン玉ボケだけでない復刻レンズ:New Trioplan

今回紹介するのは、新しいトリオプラン(New Trioplan f2.8/100)です。1916年に発売された「Meyer-Optik-Goerlitz Trioplan f2.8/100」の復刻版レンズですね。
 
立体的なシャボン玉ボケが特徴なんですが、あまりキラキラしない、優しい描写も私好みです。
 

 

関連:レンズを絵筆に、光を絵具に:保有レンズ一覧 

 

99年ぶりの復活

独特のボケに興味があったのですが、当時は、旧レンズがなかなかオークションサイトに出回りませんでした。

そして、2015年夏に、ドイツのMeyer Optik Görlitz(メイヤーオプティックゴルリッツ)が、クラウドファンディングで資金を集め、現在のガラス技術で復元しました。 

たまたま、復活を知り、2015年11月に予約し、2016年1月に入手しました。出資期限は過ぎていましたが、安く買えラッキーでした。

新レンズの登場で、旧レンズがオークションサイトに出回っているようです。   

 

シャボン玉ボケ

シャボン玉ボケ(Soap Bubble Bokeh)といって、立体的に浮き上がって見えるのは、シャボン玉の輪郭に光が強く集まるリングボケと呼ばれる現象のためとされています。

レンズの球面収差を過剰に補正することで発生するとされています。 復刻版は、ガラスの違いで、以前より高コントラストでよりシャープさの増した映りだそうですが、古いレンズを持っていないので、比較できません。 

 

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主な仕様など

レンズ名称:New Trioplan f2.8/100
発売日:2016年2月
レンズ構成:3群3枚
本体:アルミニウム製で、カラーはブラック
絞り羽根:15枚
フィルター径:52mm
マウント:SONY Eマウント、ニコン Fマウント など、
私はあえてニコンFマウントを選び、ヘリコイドアダプターをつけています。
最大撮影倍率:0.5
最短撮影距離:1m
質量:380g
 

 

参考:Meyer Optik Görlitz 

 

ヘリコイドマウントアダプターを介して、α7RII への装着です。レンズ先端にはメタルフードをつけています。どちらかというと細長いレンズですね。

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New Trioplan f2.8/100

 

 

撮影例(1):シャボン玉ボケ

全て開放F2.8での撮影です。たぶん、このレンズでは絞った記憶がありません(笑)。大別して、次の3つの種類のシャボン玉ボケが出現します。

 

■のっぺりしたタイプ :平面的な玉ボケ

■芯のあるタイプ:平面的で、中央に芯(明るい部分)がある玉ボケ

■立体的なタイプ:芯があり、玉ボケにグラデーションがかかり球形に近い立体的な玉ボケ

 

■のっぺりしたタイプ

エッジは効いていますが、どちらかというと平面的な玉ボケ。

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海辺

波立つ水面など、強い点光源があれば、容易に玉ボケがでてきます。

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ヒガンバナ

神は細部に宿る・・・といいますが、細かい部分まで、小さな小さなバブルがついています。

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朝露

 

■芯のあるタイプ

玉ボケの中心に芯のあるボケです。

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環水公園

これも芯が♪

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語り合うハスの葉

 

■立体的なタイプ

夏から晩秋にかけて咲く朝顔、ヘブンリーブルーの鮮やかなブルー。下の方は、球に近い立体的な玉ボケ。

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ヘブンリーブルー

下の方、拡大してみました。中央に芯があり球のような立体的なボケですね。

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ヘブンリーブルー(拡大)

 

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撮影例(2):やわらかい表現

木漏れ日の下、風にそよぐカッコウセンソウ(郭公仙翁)。実は、こういう写真のほうが好みですね。玉ボケキラキラ、たくさん見てると疲れます(笑)。 

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カッコウセンソウ

風薫る季節の藤の花。背景がこの頃の鯉のぼりのウロコのよう♪

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藤の花

 

ヒガンバナというより曼珠沙華、という妖艶さ。最短撮影距離が1mと長いので、接写リングで迫っています。

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曼珠沙華

 ソフトに仕上げています。

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うららかな冬の日

こういう季節に、こういう木の下で、のんびり・・・が最高ですね。 多分、ティルトマウントを使っています。

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セイヨウサンザシ ポールズ・スカーレット

  

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