ミラーレスカメラの特徴のひとつが、オールドレンズなど、かつて一眼レフカメラに使われていた、メーカーやマウントの異なる多彩なレンズが楽しめること。
それらを支えるのが、マウント変換リングとしてのマウントアダプターです。いろいろと付加価値をつけたタイプも多数登場してきています。
今回は、そのあたりについて紹介します。
マウントアダブターの種類
大別すると以下のような種類があります。例えば、ニコンFマウントのレンズをEマウントで使うためのアダプターを探す場合、「Fマウント Eマウント マウントアダプター」で検索すれば、多数ヒットします。
O)電子接点つき:下記の1)~5)と兼ねる場合もあります。レンズとカメラの間で情報がやり取りでき、オートフォーカスも可能です。いろいろあるので、これについては、次回紹介します。
1)通常:フランジバックを埋める単なる筒です。
2)ヘリコイド:レンズを繰り出すことでより近い位置の撮影が可能になります。
3)シフト:レンズを左右に動かすことで、遠近感の補正などができます。
4)ティルト:レンズを傾けることで、独特な表現ができます。これについては、別途紹介します。
5)フォーカルレデューサー:APS-C用です。レンズを内蔵し、フルサイズ相当の画角に変換します。
選び方で注意することとして、
安い物を選ぶと失敗する場合があります。私は、きつくはまりレンズから取れなくなり苦労しました。。。
また、α7シリーズのようにフルサイズカメラの場合は、フルサイズ対応のマウントアダプターを選びましょう。そうでないと、アダプターの一部が映り込み、周囲が黒く(周辺光量落ち)なる場合があります。特に広角レンズの場合、注意が必要です。
下はマウントアダプターの例。右から、通常(KIPON製)、ヘリコイド( Pixco 製)、ティルト( LENSBABY 製)、電子接点つき(Sigma MC-11)。上側がレンズ側です。
ヘリコイドは便利です
ヘリコイドとは繰り出し機構のこと。これを使えば、外側のリング(ローレット)を回すことで、レンズを前方に繰り出し、レンズ本来の最短撮影距離より近接撮影が可能になります。もちろん、縮めれば、無限遠も可能です。
フォーカスリングが硬め・ゆるめなど、問題のあるレンズでは、フォーカスリングの代わりにもなります。
接写リングやエクステンションチューブと同じ効果ですね。焦点距離やF値が変わる:マクロの不思議 で説明していますが、レンズを前に出すことで、レンズとイメージセンサーの距離が短くなり、撮影倍率が上がるわけです。実効F値は大きくなりますが、カメラが調節してくれます。
マウントの共通化
レンズが増えてくると、それぞれのマウントに対応したヘリコイドアタプターなどを揃えていくのは大変です。
そんな場合にそなえ、カメラもレンズも全てのマウントを共通化する方法が便利です。 LENZ HOLICでは、ライカMマウントに変換・共通化する方法が示されています。とてもわかりやすい図ですね。
私のカメラとレンズ(一部)でも図解してみました。マウントアダプターのイラスト追加がオリジナルです(笑)。
図は、LENZ HOLIC を参考に作成。カメラとレンズのイラストはフリー素材から。全てのレンズのマウントをライカMマウントに変換する一方、カメラのマウントもMマウント対応に変換し、共通化します。これで、レンズマウントそれぞれにヘリコイドアダプターを揃えたりする必要がありません。また、カメラ(マウント)が変わっても、カメラ側のアダプターの追加だけなので劇的に楽です。
ライカ Mマウントのフランジバックが27.8 mmで、一眼レフカメラ(45mm前後)とEマウント(18 mm)の中間にあることを利用したものです。
しかし、2つのアダプターを重ねて使うので、しっかりしたものを選ばないと、がたついたりするので注意が必要です。また、135mm以上のレンズではケラレが出る場合もあるとされています。
また、ティルトやシフトに対応したカメラ側のマウントはないようです。ライカ MマウントとEマウントとのフランジバックの差は10mm程ですから、無理なのかもしれません。むしろ、レンズ側のフランジバックに余裕がありそうですが、そこをティルトにしても、共通化してアダプターの数を減らすという点からすれば意味はありませんね。
ちなみに、私はこのシステムを知るのが遅れたので、マウントはバラバラです。。。ライカMマウントは一つもありません。複数のレンズで共有してますし、レンズごとにどのアダプターだったか、すぐにはわからなくなってしまいます(笑)。