超望遠ながら、ミラーレンズなので軽くて、また、独特のリング状のボケが現れるのも魅力のレンズ、ケンコーミラーレンズ 500mm F6.3DXの紹介です。
マニュアルフォーカスのせいもあるのでしょうか、今では市販されていないようです。オールドレンズの仲間入りかも(笑)。
関連
Kenkoミラーレンズ 500mm F6.3DX (カテゴリー)
独特のエンジェルリング
ミラーレンズの仕組み
レフレックスレンズとも呼ばれ、下図のように通常の光学レンズとは異なり、2枚の鏡による反射で光をイメージセンサーに収束させます。
ミラーレンズのイメージ。Kenko-Tokina を改変。
特徴
望遠ながら、コンパクで軽量、低価格なのが大きなメリットです。鏡により光の収束させるので、色収差(波長により屈折が異なる現象)もほぼありません。点光源に近い被写体の場合、中空のリング状のボケがでます。これは、副鏡が入射光の中心部をさえぎっているためです。ユニークなホケで、エンジェルリングとかドーナツリングとか、写真に合わせて表現します(笑)。
デメリット
オートフォーカスには対応できません。また、軽いとはいえ、さすがに500mmとなると、一脚や三脚が必須ですね。
正面から見たところ。中心部に見える黒い部分が副鏡で、リングボケの原因です。
主な仕様など
焦点距離:500mm
絞り:F6.3(固定)
レンズ構成:6群7枚
最短撮影距離:2m
フィルター径:34mm
最大径:98mm
マウント:Tマウント
全長:122mm
質量:705g
その他:電子接点はありません。現在では市販されていないようです。下のAmazon では中古ですし、KenkoTokinaでも旧製品になっています。
α7IIへの装着例。フードが大きめですが、口径の割に短めのレンズです。
撮影例
500mmという焦点距離になれないと最初は戸惑います。遠くの被写体、一度見失うと、行方不明になったりします(笑)。このレンズの特徴から、単なる500mmとして使うより、どうしてもリングボケ狙いになってしまいますね。F6.3ですが、それほど暗いという印象はありません。
リングボケが少なめの例
超望遠の圧縮効果で、まばらに咲くアヤメも競い合っているようになりました。滑川の行田公園で。
神通川河川敷のハルシャギク。
いい香りが漂っていたラベンダー畑。遠くにあった黄色いブタナの花を、さりげなくリング状に。グリーンパーク吉峰のハーブ園で。
リングボケの例
12月から咲き始める福井県の越前海岸のニホンズイセンです。遠くのスイセン、わきあがるようなリングボケになりました♪
満開の梅の花が輪っかの花に♪
高岡の水道つつじ公園のカタクリです。万葉集にもでてくる花、ここでは、カタカゴと呼ばれています。
波の名残り。夏も終わり、今はもう誰もいない海(笑)。
遠く離れた神通川の花火大会を自宅のベランダから。電線とかも写っています。ISO6400で、1/30秒で、トリミング無しでこのサイズです。動画にしたいくらいの、リングボケがはじけて散らばる様子が面白かったですね。
砺波市夢の平のコスモスウォッチングにて。広い場所ほど、そして遠くから狙うほど、超望遠の圧縮効果が発揮されます、あふれんばかりの花に♪
キンポウゲのシルエットが美しいですね。
ファインダーを覗くと、光の輪が踊っていました。メイフラワーと言われるセイヨウサンザシ(ポールズ・スカーレット)です。