カメラのイメージセンサーのゴミ、気がつくといくつかの疑問が。ちょっと考察してみました。
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ゴミが上下逆に写るわけ
ファインダーで見るのとイメージセンサーを見るのとでは、ゴミの位置は異なります。上下が反転しています。
その理由は、以下の通り。
下の図のように、レンズを通して撮影した映像は、点対称となり、カメラのイメージセンサーには、上下左右が反対になった像が写ります。ただし、これはカメラの背面側から見た場合ですね。
なお、ファインダーや撮影映像は、カメラ内で処理され上下左右が反対になるので、元の位置関係で見ることができます。網膜に映った像を脳が処理するのと同じですね。
一方、イメージセンサーを、受光面側から見ると、裏表の関係となり左右が反転します。
結局、撮影映像と受光面側からみたイメージセンサーの位置関係は、上下だけが反転します。
なので、自分でイメージセンサーをクリーニングするときも、位置関係には注意ですね。例えば、右上に写っているゴミは、センサー(受光面側から見て)の右下についてます。
上下反転の関係なので、たとえば、右上に写っているゴミは、イメージセンサーの右下についてます。
イメージセンサーのゴミ、実はフィルターのゴミだった
イメージセンサーのゴミ、実はその手前にはローパスフィルター があり、そのゴミの影響とされています。
もっとも、SONYの場合、高画素で機種名にRのつくタイプ(α7Rからα7RⅣまで)はローパスのないフィルターです。
下図は、α7RⅡの特徴から。この光学フィルターにゴミが付着するのです。フィルターとイメージセンサーの距離は不明ですが、ある程度大きい方が、ゴミの影響は小さくなりそうです。
また、光の反射を抑えるため、イメージセンサー上にあるシールガラス面には反射防止膜(ARコート)があります。
絞るとはっきりするのはなぜか
開放近くで撮っていると、ゴミはそれほど感じません。しかし、絞るとはっきりしてきます。なので、ゴミが写るかと思うと、思い切って絞れませんね(笑)。
今回、イメージセンサーにゴミ(汚れ)がついた状態で、SPEEDMASTER 50mm F0.95で絞りを変えて空を撮ってみました。
F16まで絞るはっきりしてきます。
F2.8(左)ではぼんやり見えます。F0.95(右)になるとわかりません。
絞ると入ってくる光の面積が減る
ゴミが写るといっても、ゴミ自体にピントが合っているわけではありません。ゴミが光をさえぎり、影の影響が出ているのです。
下は、像がイメージセンサーに映る状況とゴミの影響のイメージです。ピンク色の部分は、像からの光です。ゴミがついたフィルターはイメージセンサーの手前にあります。
上が絞り開放、その下が絞り込んだ状態です。
絞りが開放の時、幅広い角度からの光がイメージセンサーに集まり、小さなゴミでは光の一部がさえぎられるだけで、ゴミの影は目立ちません。
一方、下図は絞り込んだ場合です。
開放より、赤の光の色を濃くしていますが、絞るということは、単位面積あたりの光の量が多い場合でしょう。カメラは、絞りを絞って露出を調整しています。
絞ると、強い光が入ってくる面積が減少し、相対的にゴミの影が目立って映ってしまうのです。
例えば、F0.95とF16では、光が入ってくる絞りの面積は約280分の1になります。
図より、レンズの表面に小さなゴミがついていても、離れているので、ほとんど影響がないことがわかりますね。
最後に
ゴミ対策として、センサーの手前に、保護フィルターがあればいいですね。汚れた場合は、それをはずしてクリーニングしたり、手軽に交換できるようになれば便利です。
ところで、開放だとイメージセンサーのゴミの影響は小さくなりますが、開放でもゴミが気になる時があります。それはどんな場合でしょうか。そのあたり、次回です。