ライトルームのプリセット、今回は、海外のフリープリセットの利用例です。
どの部分がどう変更されるのか、そのあたりにも迫っています。
関連
プリセット利用例
海外のフリープリセットにはいくつもありますが、今回は以下を紹介します。複数のプリセットファイルが一括してダウンロードできます。
ダウンロード方法:
1)メールアドレスを入力すると、メールが送られてきます。
しかし、2020年3月現在、リンク先がありません。→2)参照
2)送られてきたメールにある「 Free Photography Bundle here」をクリックするとウェブサイトが開きます。ここからでもダウンロードできるようです。
3)そのサイトの「DOWNLOAD」をクリックします。
4)ダウンロードされたzipフォルダーには多くのフォルダーがあります。その中の「Ligthtroom Presets」の中に多数のプリセットファイル、「***.lrtemplate」があります。これを読み込みます。
基本補正のホワイトバランスを変更しないプリセット
基本補正のホワイトバランス(色温度と色かぶり補正)を変更しないプリセットです。なので、自分好みの色調に調整した後からプリセットをかけても、その色調が引き継がれます。
ただし、別の部分の変更で、色調が変化する場合があります。
海王丸パーク
親子で釣りをしているシーンです。
左は、未現像の映像です。
右は、私の現像例です。やや明るめに、基本補正のみの調整です。
現像前と私の現像例(右)
Old School
調整されているのは、基本補正の階調(ハイライトやシャドウなど)と外観(明瞭度など)、トーンカーブです。
未現像からの適用例です。基本補正の色温度や色かぶり補正は変更されていないのですが、色調は変化し、色あせた、懐かしい思い出の写真のようになりました。
足元のプロックの模様は、水色から淡いグリーンになっています。また、空のグラデーションの色が変化し、色の変化が強調されています。
トーンカーブの比較
このプリセットの特徴は、トーンカーブの色別変更にあります。下の図は、左が未現像で、右が Old School 適用後のトーンカーブです。
明暗別にRGB各チャンネルごとにカーブを調整することで、フィルムで撮影したような色調が再現されています。
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トーンカーブ/RGBチャンネル
全体的に
ハイライト(明るい部分)で、R(赤)を上げB(青)を下げ、暖色系にしています。
右端をやや下げ、特にB(青)は下げが大きく、ハイライトで青が弱まり補色のイエローが強めています。これがこのブリセットの色調の特徴ですね。
一方、左端を上げ、シャドウ(暗い部分)の黒を灰色にしています。B(青)の上げが大きく、青が強めになり、おじさんのシャツが黒から濃青になっています。
個別の色チャンネル
R(赤)は、中央付近をやや上げて、ハイライトでの赤を強めに、シャドウを下げて補色のシアン(水色)を出しています。
G(緑)も赤と同様です。補色はマゼンタ(ピンク色)です。
逆に、B(青)はハイライトでは全体的に抑えめでイエロー気味です。
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ブラスバンドというバラ
オレンジからピンクのグラデーションが美しいバラです。未現像の映像です。
Elegant B&W
白黒モードのプリセット、未現像からの適用例です。基本補正の色表現は白黒になっています。基本補正、トーンカーブが変更されています。
色が消えて、花びらのグラデーションがモノクロで表現されています。
B&Wの追加修正
更に追加で修正してみました。
B&Wのレッド、イエローを上げ、オレンジを下げて、花びら全体にメリハリをつけています。一方、マゼンタを下げて、花びらの表面に黒みを増し質感を出しています。
追加修正後
縁の下の猫
桜耳の野良猫ですが、餌をもらっているようで、丸々としています。
左は、未現像の映像です。
右は、私の現像例です。基本補正のみでメリハリをつけた例です。
現像前と私の現像例(右)
Split Toned
未現像からの適用例です。基本補正、明暗別色補正が変更されています。明暗別色補正では、ハイライトとシャドウ別に色相と彩度が変更されています。
基本補正の色温度や色かぶり補正は変更されていないのですが、キジトラの模様が深いブルーになり、周囲と一体化した保護色のような色合いです。
明暗別色補正
左が未現像で、右が Split Toned 適用後です。
明暗別色補正(Split Toning)では、画面全体が変更される色温度(ホワイトバランス)とは異なり、明部(ハイライト)と暗部(シャドウ)それぞれで色調調整できます。
このプリセットでは、ハイライトとシャドウの色相と彩度、バランスが変更されています。色表示で、ハイライト部分は薄茶色に、シャドウ部分がブルー気味になっているのがわかります。
ハイライトとシャドウの色相が補色関係になるよう調整すると、スッキリした感じになります。
朝露の彼岸花
長いシベに朝露をあびたヒガンバナの花。
左は、未現像の映像です。
右は、私の現像例です。色温度を変えて妖しげに。基本補正のみの調整です。
現像前と私の現像例(右)
Bold HDR
変更されているのは、基本補正の階調(ハイライトやシャドウなど)と外観(明瞭度など)のみです。
今回は、上の私の現像後からの適用です。基本補正の色温度や色かぶり補正は変更されず、ブルー系の色あいは引き継がれます。
彼岸花のシベの水滴や背景の玉ボケがよりクリアになりました。
基本補正のホワイトバランスが変更されるプリセット
基本補正のホワイトバランス(色温度と色かぶり補正)が変更されるプリセットです。
満開の河津桜
ソメイヨシノより、やや濃い目の早咲きの桜です。
左は、未現像の映像です。
右は、私の現像例です。明るめに、基本補正のみの変更です。
現像前と私の現像例(右)
Soft Blue Pastel
基本設定(自然な彩度など)、トーンカーブ、明暗別色補正が変更されています。
淡いブルーがかったパステル調になり、なつかしい雰囲気になりました。複数の写真を簡単に変換できるので、統一感のあるアルバムとすることもできます。
明暗別色補正
左が未現像で、右が soft Blue Pastel 適用後です。
Split Toned と色は似てますが、バランスは変更されていません。
ぐるぐるサザンカ
New Petzval 85 Art Lens 85mmによる撮影です。
左は、未現像の映像です。
右は、私の現像例です。ややコントラストを強めに。基本補正のみの変更です。
現像前と私の現像例(右)
Soft Matte
変更されているのは、基本補正、トーンカーブ、HSL/カラー、明暗別色補正です。
トーンカーブの変更で、マット感(ツヤ消し)が出て、サザンカの花や葉っぱのテカリが抑えられました。際立っていた背景のボケ方がソフトになっています。
トーンカーブの比較
左が未現像で、右が Soft Matte 適用後のトーンカーブ。色別ではなく、RGB全体のカーブです。
マット(つや消し)な写真にするため、左端①(ブラックポイント)を上げています。真っ黒がやわらぎ灰色になります。一方、シャドウが明るくなりすぎないよう、②の位置を少し下げて黒を引き締めています。
オオキンケイギクの花畑
左は、未現像の映像です。
右は、私の現像例です。基本補正のみ少しだけの変更です。
現像前と私の現像例(右)
Natural Color Pop
基本設定、トーンカーブ、HSL/カラーが変更されています。
自然な彩度のプラスで、色鮮やかに、ツアーのポスターのようになりました(笑)。
HSL/ カラー
今回のプリセットでは、下のように、輝度(明るさ)のブルーのみの変更です。マイナス20とすることで、空の青が深く濃い青になり強調されています。
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HSL/カラーの調整
HSLとは、Hue(色相)、Saturation(彩度)、Lightness(輝度)のこと。
左のように、8つの色別にHSLが調整できます。 最初に、それぞれの色の彩度を最大(+100)にして、その色が写真のどの位置でどの程度寄与しているかを確認します。
そして、基本的には、色相、彩度、輝度の順に調整します。
変更しすぎると全体の色のバランスが崩れ、不自然になるので、注意が必要です。
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ブックバッカラ
前回も例として紹介した黒バラです。
左は、未現像の映像です。
右は、私の現像例です。より華やかに、基本補正のみの調整です。
現像前と私の現像例(右)
Cinematic
基本設定(彩度マイナスなど)、トーンカーブ、明暗別色補正(ハイライトとシャドウの色相と彩度)が変更されています。
より黒く、そしてソフトなビロード感になりました。