レンズを絵筆に、光を絵具に

写真やレンズの話をメインに紹介するブログ

海外のフリープリセット:ライトルームのプリセット(2)

ライトルームのプリセット、今回は、海外のフリープリセットの利用例です。

 

どの部分がどう変更されるのか、そのあたりにも迫っています。

 

 

関連

使ってみよう:ライトルームのプリセット

 

 

プリセット利用例

海外のフリープリセットにはいくつもありますが、今回は以下を紹介します。複数のプリセットファイルが一括してダウンロードできます。

 

サイト:Photographypla.net/

ダウンロード方法:

1)メールアドレスを入力すると、メールが送られてきます。

 しかし、2020年3月現在、リンク先がありません。→2)参照

2)送られてきたメールにある「 Free Photography Bundle here」をクリックするとウェブサイトが開きます。ここからでもダウンロードできるようです。

3)そのサイトの「DOWNLOAD」をクリックします。

4)ダウンロードされたzipフォルダーには多くのフォルダーがあります。その中の「Ligthtroom Presets」の中に多数のプリセットファイル、「***.lrtemplate」があります。これを読み込みます。

 

 

基本補正のホワイトバランスを変更しないプリセット

基本補正のホワイトバランス(色温度と色かぶり補正)を変更しないプリセットです。なので、自分好みの色調に調整した後からプリセットをかけても、その色調が引き継がれます。

 

ただし、別の部分の変更で、色調が変化する場合があります。

 

海王丸パーク

親子で釣りをしているシーンです。

左は、未現像の映像です。

右は、私の現像例です。やや明るめに、基本補正のみの調整です。

 

現像前と私の現像例(右)

f:id:Paradisia:20200308131638j:plain
f:id:Paradisia:20200308131626j:plain

 

Old School

調整されているのは、基本補正の階調(ハイライトやシャドウなど)と外観(明瞭度など)、トーンカーブです。

 

未現像からの適用例です。基本補正の色温度や色かぶり補正は変更されていないのですが、色調は変化し、色あせた、懐かしい思い出の写真のようになりました。

 

足元のプロックの模様は、水色から淡いグリーンになっています。また、空のグラデーションの色が変化し、色の変化が強調されています。

 

f:id:Paradisia:20200308131421j:plain

 

トーンカーブの比較

 

このプリセットの特徴は、トーンカーブの色別変更にあります。下の図は、左が未現像で、右が Old School 適用後のトーンカーブです。

 

明暗別にRGB各チャンネルごとにカーブを調整することで、フィルムで撮影したような色調が再現されています。

 

トーンカーブ調整画面の右下にある「/」をクリックすると、RGM全体モードから各チャンネルモードへ変更になります。
 
RGBを調整すると、それぞれの補色関係にある色が反対の動きをします。
 
 
f:id:Paradisia:20200314074843j:plain
    トーンカーブ/RGBチャンネル
 
全体的に
ハイライト(明るい部分)で、R(赤)を上げB(青)を下げ、暖色系にしています。
 
右端をやや下げ、特にB(青)は下げが大きく、ハイライトで青が弱まり補色のイエローが強めています。これがこのブリセットの色調の特徴ですね。
 
一方、左端を上げ、シャドウ(暗い部分)の黒を灰色にしています。B(青)の上げが大きく、青が強めになり、おじさんのシャツが黒から濃青になっています。
 
個別の色チャンネル
R(赤)は、中央付近をやや上げて、ハイライトでの赤を強めに、シャドウを下げて補色のシアン(水色)を出しています。
G(緑)も赤と同様です。補色はマゼンタ(ピンク色)です。
 
逆に、B(青)はハイライトでは全体的に抑えめでイエロー気味です。

 

 ブラスバンドというバラ

オレンジからピンクのグラデーションが美しいバラです。未現像の映像です。

 

f:id:Paradisia:20200314161211j:plain

 

 

Elegant B&W

白黒モードのプリセット、未現像からの適用例です。基本補正の色表現は白黒になっています。基本補正、トーンカーブが変更されています。

 

色が消えて、花びらのグラデーションがモノクロで表現されています。

 

f:id:Paradisia:20200314161247j:plain

 

B&Wの追加修正

更に追加で修正してみました。

B&Wのレッド、イエローを上げ、オレンジを下げて、花びら全体にメリハリをつけています。一方、マゼンタを下げて、花びらの表面に黒みを増し質感を出しています。

 

f:id:Paradisia:20200314162209j:plain

 

追加修正後

 

f:id:Paradisia:20200314161925j:plain

 

縁の下の猫

桜耳の野良猫ですが、餌をもらっているようで、丸々としています。

左は、未現像の映像です。

右は、私の現像例です。基本補正のみでメリハリをつけた例です。

 

現像前と私の現像例(右)

f:id:Paradisia:20200308124554j:plain
f:id:Paradisia:20200308124607j:plain

 

Split Toned

未現像からの適用例です。基本補正、明暗別色補正が変更されています。明暗別色補正では、ハイライトとシャドウ別に色相と彩度が変更されています。

 

基本補正の色温度や色かぶり補正は変更されていないのですが、キジトラの模様が深いブルーになり、周囲と一体化した保護色のような色合いです。
 

f:id:Paradisia:20200308125138j:plain

 

 

明暗別色補正

左が未現像で、右が Split Toned 適用後です。

 

f:id:Paradisia:20200314143822j:plain

 

明暗別色補正(Split Toning)では、画面全体が変更される色温度(ホワイトバランス)とは異なり、明部(ハイライト)と暗部(シャドウ)それぞれで色調調整できます。

 

このプリセットでは、ハイライトとシャドウの色相と彩度、バランスが変更されています。色表示で、ハイライト部分は薄茶色に、シャドウ部分がブルー気味になっているのがわかります。

 

ハイライトとシャドウの色相が補色関係になるよう調整すると、スッキリした感じになります。

 

朝露の彼岸花

長いシベに朝露をあびたヒガンバナの花。

左は、未現像の映像です。

右は、私の現像例です。色温度を変えて妖しげに。基本補正のみの調整です。

 

現像前と私の現像例(右)

f:id:Paradisia:20200309114000j:plain
f:id:Paradisia:20200309114016j:plain


 

Bold HDR

変更されているのは、基本補正の階調(ハイライトやシャドウなど)と外観(明瞭度など)のみです。

 

今回は、上の私の現像後からの適用です。基本補正の色温度や色かぶり補正は変更されず、ブルー系の色あいは引き継がれます。

彼岸花のシベの水滴や背景の玉ボケがよりクリアになりました。

 

f:id:Paradisia:20200309114039j:plain

 

 

基本補正のホワイトバランスが変更されるプリセット

基本補正のホワイトバランス(色温度と色かぶり補正)が変更されるプリセットです。

 

満開の河津桜

ソメイヨシノより、やや濃い目の早咲きの桜です。

左は、未現像の映像です。

右は、私の現像例です。明るめに、基本補正のみの変更です。

 

現像前と私の現像例(右)

f:id:Paradisia:20200308114613j:plain
f:id:Paradisia:20200308114705j:plain

 

Soft Blue Pastel

基本設定(自然な彩度など)、トーンカーブ、明暗別色補正が変更されています。

 

淡いブルーがかったパステル調になり、なつかしい雰囲気になりました。複数の写真を簡単に変換できるので、統一感のあるアルバムとすることもできます。

 

f:id:Paradisia:20200308115045j:plain

 

明暗別色補正

左が未現像で、右が soft Blue Pastel 適用後です。

Split Toned と色は似てますが、バランスは変更されていません。

 

f:id:Paradisia:20200314144304j:plain

 

 

ぐるぐるサザンカ

New Petzval 85 Art Lens 85mmによる撮影です。

左は、未現像の映像です。

右は、私の現像例です。ややコントラストを強めに。基本補正のみの変更です。

 

現像前と私の現像例(右)

f:id:Paradisia:20200308135345j:plain
f:id:Paradisia:20200308135357j:plain

 

Soft Matte

変更されているのは、基本補正、トーンカーブ、HSL/カラー、明暗別色補正です。

 

トーンカーブの変更で、マット感(ツヤ消し)が出て、サザンカの花や葉っぱのテカリが抑えられました。際立っていた背景のボケ方がソフトになっています。

 

f:id:Paradisia:20200308140208j:plain

 

トーンカーブの比較

 

左が未現像で、右が Soft Matte 適用後のトーンカーブ。色別ではなく、RGB全体のカーブです。

 

マット(つや消し)な写真にするため、左端①(ブラックポイント)を上げています。真っ黒がやわらぎ灰色になります。一方、シャドウが明るくなりすぎないよう、②の位置を少し下げて黒を引き締めています。

 

f:id:Paradisia:20200312075112j:plain

 

オオキンケイギクの花畑

左は、未現像の映像です。

右は、私の現像例です。基本補正のみ少しだけの変更です。

 

現像前と私の現像例(右)

f:id:Paradisia:20200308122013j:plain
f:id:Paradisia:20200308122028j:plain

 

Natural Color Pop

基本設定、トーンカーブ、HSL/カラーが変更されています。

 

自然な彩度のプラスで、色鮮やかに、ツアーのポスターのようになりました(笑)。

 

f:id:Paradisia:20200308122621j:plain

 

HSL/ カラー

 

今回のプリセットでは、下のように、輝度(明るさ)のブルーのみの変更です。マイナス20とすることで、空の青が深く濃い青になり強調されています。

 

 
f:id:Paradisia:20200311165840j:plain
    HSL/カラーの調整
 
HSLとは、Hue(色相)、Saturation(彩度)、Lightness(輝度)のこと。

左のように、8つの色別にHSLが調整できます。
 
 
最初に、それぞれの色の彩度を最大(+100)にして、その色が写真のどの位置でどの程度寄与しているかを確認します。
 
そして、基本的には、色相、彩度、輝度の順に調整します。
 
変更しすぎると全体の色のバランスが崩れ、不自然になるので、注意が必要です。

 

 

ブックバッカラ

前回も例として紹介した黒バラです。

左は、未現像の映像です。

右は、私の現像例です。より華やかに、基本補正のみの調整です。

 

現像前と私の現像例(右)

f:id:Paradisia:20200308112650j:plain
f:id:Paradisia:20200308112701j:plain

 

Cinematic 

基本設定(彩度マイナスなど)、トーンカーブ、明暗別色補正(ハイライトとシャドウの色相と彩度)が変更されています。

 

より黒く、そしてソフトなビロード感になりました。

 

f:id:Paradisia:20200308113022j:plain