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現像が前提、花火を美しく撮る方法

花火をできるだけ美しく撮る方法について紹介します。現像処理することを前提としています。

 

最初は撮り方です。花火は、夏の数週間しか撮らないので、どちらかというと、私の忘備録です(笑)。

 

美しく、というのも曖昧ですが、白飛びをなくして、花火本来の光の軌跡を緻密に、細部まで表現することを目指しています。

現像することが前提なので、基本的に暗めに撮ります。暗い写真を明るくするのは容易ですが、白飛びした写真の補正は難しくなります。

 

 
カメラとレンズ:暗いレンズでも活躍します
カメラの設定や撮影条件:基本的に暗めに撮ります
絞り過ぎで起きる回折現象:実際の影響は少ない

 

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ポイントは、撮りたいテーマですね。花のように、花火そのものの美しさを撮りたいのか、周りの観客を入れ込んで夏の雰囲気を出したいのか、それとも、遠くから雄大な風景の一部にしたいのか・・、などです。当然ながら、撮影場所やレンズが異なってきます。

 

カメラとレンズ

カメラ:撮影サイズが大きいと、トリミングしても十分な大きさが保てます。できればフルサイズがおすすめです。

レンズ:予想外に大きい花火もあるので、広角レンズがおすすめです。一番大きい花火は全体をとらえ、小さい花火はトリミングします。花火撮影は絞りを絞るので、開放F値の大きい暗いレンズが活躍する時です(笑)。

 

減光フィルター:なくてもいいのですが、撮影中にフォーカスリングを動かす場合など、ぼかす場合は、ND4があればいいでしょう。

光量は4分の1になり、絞りは2段分(数字で2分の1,例えば、F11→F5.6)あけることができます。なお、フィルターは安物を使うと、色むらが出るとも言われています(笑)。

三脚:しっかりした三脚で、カメラもしっかり固定しましょう。撮影中にフォーカスリングを動かす場合、細かなブレが映る場合があります。

リモコンシャッター:手でシャッターを押すとブレるので必須です。無線タイプやスマホアプリもありますが、有線タイプが安定して動作します。

予備(モバイル)バッテリー:撮影が長時間に渡る場合は、予備のバッテリーかモバイルバッテリーがあったほうがいいでしょう。

ちなみに、α7RIIは、モバイルバッテリーから給電しながら撮影できるのですが、 最込口がマイクロUSB(Type-B) で、リモコンシャッターと同じで使えません。。。

 

トリミングの例

以下は、SONY α7RIIを使い、フルサイズモードで使用した例です。レンズは、APS-C用のSigma 18-300mm F3.5-6.3 で、広角18mm側(フルサイズでは27mm相当の画角)で撮影しています。

 

左が撮影サイズで、右がトリミング後。APS-Cのレンズをフルサイズで使っているので、左の映像では、周りに黒い部分があります。

 

小さな花火の場合、狭い範囲のトリミングになるのですが、FBやブログに投稿するなら、十分です。α7RIIの場合、投稿サイズ(2048☓1365ピクセル)は、面積比で、撮影サイズ(7952×5304ピクセル)の7%弱しかありませんから。

 

 

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カメラの設定や撮影条件

カメラの設定などです。

 

ISO:100にします。

撮影モード:バルブ撮影です。

ファイル形式:現像が前提なので、RAWです。ホワイトバランスは現像で調整します。

絞り:F8またはF11です。基本的に暗めに撮ります。何枚か撮影して、確認するのがオススメです。

 

ISOもシャッタースピードも決まるので、残りの露出に影響を及ぼす設定が、この絞り値です。

絞りを絞ったほうが、被写界深度(被写体側のピントが合っているように見える範囲)が大きくなり、広い範囲でピントが合います。また、多少のピントのズレは問題なくなります。

一般的に、絞り過ぎると回折現象が生じてボケるといわれています。しかし、以下の章で述べているように、ブログに投稿する程度では、ほとんど問題ないようです。

 

また、通常、一番長めの撮影となるシャッタースピード(一番露出が長い)に合わせて絞りを決めるともされています。しかし、そうなるとかなり絞ることになり、逆に短い場合はずいぶん暗くなります。へたに多くの花火を一枚に収めようとするより、分割して撮影し、比較(明)合成をしたほうが美しく仕上がります。

 

手ぶれ補正:三脚使用時は、誤作動しないように、OFFにします。ごくまれに、三脚の金属の高い周波数の振動を感知し、ブレを起こすようです。

ノイズリダクション:処理に時間がかかり、シャッターチャンスを逃すので、OFFにします。

ピント:明るいうちに合わせておきます。またはAFで花火に合わせ、MFに切り替えまます。

シャッター:タイミングは、あがり始めた時にシャッターを押し、花火が開ききった時に離します。 欲張ってたくさん入れると、白飛びして修正不能になります。

 

多重露光

多重露光ができるカメラもあります。SONYのアプリは、動作が遅くて面倒なので、使っていません(笑)。フォトショップで比較(明)合成をしたほうが楽ですね。

 

絞り過ぎで起きる回折現象

通常、絞りを絞りすぎると回折現象(いわゆる小絞りボケ)が生じ解像度が落ちるとされています。

有限の直径を持つレンズを通過した光の像は、厳密には点にならず、回折によってある大きさの円になるからです。

 

もっとも、かなりシビアにピントが合っていて、大きく引き伸ばす場合に影響するような話で、通常の花火撮影では、ほとんど影響がないでしょう。α7シリーズでは回折低減処理もされています。

 

エアリーディスク径

回折により発生するボケの直径はエアリーディスク径と呼ばれています。絞りを絞るほど大きくなります。知っておきたい撮影レンズの基礎(東芝、pdf)によると、エアリーディスク径(波長550nmの値)は以下の式になります。

 

Dairy =  1.34 ☓ Feff = 1.34 ☓ F  ☓(1 + m)

 

 Feff:実効F値

 m:光学倍率(実際の被写体とイメージセンサーに写った被写体の大きさの比率)、被写体が遠い時はm=0に近くなり、実効F値=F値になります。

 

高画素カメラと回折現象

例えば、被写体が遠い時、F値2.8の場合のエアリーディスク径は3.75μですが、F値4で5.36μとFなり、以下の計算によるカメラ(α7RII)の画素ピッチ(4.5μ)を超えてしまいます。F8で10.7μ、F11で14.7μです。

 

α7RII
 画像サイズ(RAW):7952×5304ピクセル
 フルサイズセンサー:36×24mm
 画素ピッチ:4.51×4.52μm

 

つまり、α7RIIでは、F値3.38を超えるレンズは、カメラの解像力を活かしきれていないことを示しています。

 

回折低減処理

逆に言えば、レンズのエアリーディスク径より細かい画素ピッチのセンサーを開発しても意味のないことになるのです。このため、α7シリーズでは、回折低減処理を搭載しています。

 

絞り値に応じてフィルター処理をすることで、パンフォーカス撮影においても高い解像感を実現しています。ただし、どの程度小さくなるのかは不明です。下図は、α7RIIの特徴より。

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影例

撮影中にフォーカスリングを動かす方法を紹介します。広角より、望遠側のレンズで、またあまり絞りすぎないようにしないと、美しいボケが出てきません。

また、カメラをしっかり固定し、動かないように回さないと、花火のラインの直線部分に細かいブレがでてきます。

 

フォーカスアウト

ピントを合わせた位置で撮影後、ピントリングを近距離側に回します。先端が丸ボケになった写真になります。

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当然ながら、背景が映ると、背景もボケます。写真右下は、海王丸。

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カメラをしっかり固定し、動かないように回さないと、花火のラインの直線部分に細かいブレがでてきます。

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フォーカスイン

ピントをずらした近距離の位置から、花火にピントを合わせます。先端が細くなった映像になります。

花火の位置は無限遠ですが、レンズによっては、最大に回した位置が無限遠では無い場合があるので、注意が必要です。

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ピントリングを回すタイミングによって、いろいろな変化が楽しめます。

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