今回のレンズは、フレクトゴン35mm(Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm/f2.4 )です。
ぶら散歩に持っていくとしたら、候補の一つですね。マニュアルフォーカスですが、やや広角の35mm、絞ればパンフォーカス的で、マクロ撮影もできるレンズです。
タイトルですが、最初は、「ちょっとした旅に・・・」でした。しかし、スマホで簡単にスナップが撮れるようになってきた昨今、このレンズの出番はないかなと(笑)。
むしろ、見慣れた風景でもおもしろく撮れそうな「ぶら散歩」に切り替えました。
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装着例
主な仕様など
三代目の黒鏡筒です。
レンズ単体とマウントアダプター
レンズ単体
下のマットの方眼は5mm角です。シリアルナンバーは、214234。
マウント側
M 42、スクリューマウントで、ねじ込んで装着します。
マウントアダプター
ホークスファクトリーのヘリコイド付アダプターです。ヘリコイド付きなので、レンズを前面に繰り出すことができ、よりマクロ的な写真を撮ることができます。
写真のように、最大で14mmほど前へ繰り出すことで、ワーキングディスタンス(レンズ先端から被写体までの距離)は約7cmと短くなり、撮影倍率は約0.51倍となります。いずれも実測(計算)値です。
撮影条件
記載以外は以下の条件です。
カメラ:α7RⅡ
ホワイトバランス:オート (RAWで撮っているので必要に応じて現像で調整)
ISO感度:オート (下限:100、上限:3200) 今回の写真は全てISO100です。
ISO AUTO低速限界:1/125
シャッタースピードが1/125秒以下になると、ISOが上がる設定です。上限値を超えると、シャッタースピードが下がります。詳しくは、ISO AUTO低速限界とは:ISO 感度設定の話を。
DRO/オートHDR:Dレンジオプティマイザー・オート
手ブレ補正:入
手ブレ補正調整:オート (焦点距離では補正していません)
アプリ:未使用
レンズ補正アプリを使用すれば、レンズごとに、あらかじめ設定した周辺光量や倍率色収差、歪曲色収差の補正ができます。また、使用レンズ名が書き込まれます。ただし、撮影時のピント拡大はできなくなります。
レンズ補正:初期設定のままですが、自動補正対応レンズでないと機能しません。
周辺光量補正:オート
倍率色収差補正:オート
歪曲色収差補正:切
レンズ: Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm/f2.4
F値:記載以外、全て開放(F2.4)での撮影です。
マウントアダプター:M42-Eマウントアダプター(ヘリコイド付き)
現像:Lightroom Classic (Ver. 9.2)
写真により、ハイライトやシャドウなどの基本補正のみ微調整しています。トリミングはありません。
パンフォーカス撮影
護国神社の白梅
スナップ的な撮影の例です。
全域にピントが合って見えるパンフォーカス的な写りとなる絞り値を探してみました。ブロクで見る程度ではF5.6~F8で、拡大するならF11あたりから、パンフォーカス的になります。
以下の4枚、ピントは手前の白梅の左端に合わせています。色温度などの基本補正は、全く同じ現像処理です。
F2.4
やや4隅がケラれて、左上の空の青が濃くなっていますね。背景はそれほどボケていません。拡大するとわかりますが、奥にある本殿の屋根瓦の輪郭は不明瞭です。
F5.6
ケラレは少なくなります。奥にある本殿の屋根瓦の輪郭はややはっきりしてきました。ブログでみるスナップ写真としては、この程度でもパンフォーカス的です。
F8
ケラレは気にならなくなります。奥にある本殿の屋根瓦、拡大しても輪郭がはっきりしています。
F11
ここまで絞ると、ケラレはなく空の青は一様になります。拡大しても、奥にある本殿の屋根瓦はかなりはっきりしています。
過焦点距離
このレンズ(f=35mm)の過焦点距離は、F8で5.1m、F11で3.7mです。
過焦点距離を使って撮影してみました:ボケとパンフォーカス(5)で紹介していますが、この位置にピントを合わせておくと、その半分の距離から∞までピントが合っているように見える写真が撮れるはずです。
今回、そのあたりの検証は無しです(笑)。
開放での撮影例
護国神社のしだれ梅
オールドレンズにしては、ピント面はくっきりし、ファインダーをのぞくと、朝日の当たる背景の梅がたくさんの玉ボケになっていました。肉眼では見られない玉ボケです。
青空とニッコウキスゲ
明るいレンズで、初夏らしい発色ですね。
背景にあるユリ、一日花なので乱れているのもあり、適度なボケは必要ですね。ただし、あまりボケると何かわからなくなるので、ユリとわかる程度になることがポイントです。
シャクヤクの花
縦位置で。背景はダイナミックにボケてくれました。やや色飽和し、にじんだようなボケです。
中国シャクヤクの深紫単紅片
開放ですが、シベはくっきり、周囲はちょっとグルっとした感じです。
周囲はやわらかいボケです。センターあたりがしっかり写るようで、日の丸構図がおすすめです。


以下の2点はRAWデータが残っていないので、撮影と現像条件は不明です。
呉羽山の紅葉
このまま保存したいほど、美しい落ち葉でした。
秋の五百羅漢
そこそこ広い範囲が切り撮れます。
トウツバキ・早牡丹
赤が色飽和しているようなので、ハイライトと白レベルをマイナスにしています。
ヤマアジサイの名残り
強い光の反射で、真ん中の光の当たるところに、パープルフレアが出ています。
マクロ的な撮影例
ヘリコイドアダプターを使って、迫っています。以下の3点はRAWデータが残っていないので、撮影と現像条件は不明です。
干し柿
ピントの合う範囲はかなり狭くなっています。
裸婦坐像
水墨美術館に飾られている高村光太郎作の像です。輪郭がやわらかいラインになりますね。