レンズを絵筆に、光を絵具に

写真やレンズの話をメインに紹介するブログ

ぶら散歩ならこれ:Flektogon 35mm F2.4 

今回のレンズは、フレクトゴン35mm(Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm/f2.4 )です。

 

ぶら散歩に持っていくとしたら、候補の一つですね。マニュアルフォーカスですが、やや広角の35mm、絞ればパンフォーカス的で、マクロ撮影もできるレンズです。   

 

タイトルですが、最初は、「ちょっとした旅に・・・」でした。しかし、スマホで簡単にスナップが撮れるようになってきた昨今、このレンズの出番はないかなと(笑)。

 

むしろ、見慣れた風景でもおもしろく撮れそうな「ぶら散歩」に切り替えました。

 

 
装着例:α7RⅡへの装着例
主な仕様など:カールツァイス・イエナ製です
撮影条件:α7RⅡで
パンフォーカス撮影:F11まで絞ればパンフォーカスに
開放での撮影例:背景がわかる程度のボケ
マクロ的な撮影例:近くに寄れます

 

関連:保有レンズ一覧

 

装着例

α7RⅡへの装着例。
ホークスファクトリーヘリコイド付M42アダプターとライカ風メタルレンズフード( STOK VALUE 、49mm径)をつけています。オリジナルのレンズキャップがそのまま使えます。  
 

f:id:Paradisia:20200224133351j:plain

 
 

主な仕様など  

カールツァイス・イエナ製   東ドイツの CARL ZEISS JENA DDR (カールツァイス・イエナ)製です。
 
 
名称:Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm/f2.4  

 三代目の黒鏡筒です。

発売:1972年  
焦点距離: 35mm  
レンズ:4群6枚
絞り値: F2.4-22
 中間値でも撮れます。例えば、F2.4とF4の間には、2つの中間値があります。
レンズマウント: M42  
最短撮影距離: 約31cm。これはイメージセンサー面までの距離で、レンズ先端からは約21cmです。撮影倍率は約0.16倍で、いずれも実測(計算)値です。
フィルター径: 49 mm  
質量:238g     
その他:2014年、ヤフオクで買いました。3万円ほどでした。

 

 

レンズ単体とマウントアダプター

 

レンズ単体

下のマットの方眼は5mm角です。シリアルナンバーは、214234。

 

f:id:Paradisia:20200224133706j:plain

 

マウント側

M 42、スクリューマウントで、ねじ込んで装着します。

 

f:id:Paradisia:20200224133821j:plain

 

マウントアダプター

ホークスファクトリーのヘリコイド付アダプターです。ヘリコイド付きなので、レンズを前面に繰り出すことができ、よりマクロ的な写真を撮ることができます。

 

写真のように、最大で14mmほど前へ繰り出すことで、ワーキングディスタンス(レンズ先端から被写体までの距離)は約7cmと短くなり、撮影倍率は約0.51倍となります。いずれも実測(計算)値です。

 

f:id:Paradisia:20200224133939j:plain

 

撮影条件

記載以外は以下の条件です。

 

カメラ:α7RⅡ

   ホワイトバランス:オート (RAWで撮っているので必要に応じて現像で調整)

 ISO感度:オート (下限:100、上限:3200) 今回の写真は全てISO100です。

 ISO AUTO低速限界:1/125

 シャッタースピードが1/125秒以下になると、ISOが上がる設定です。上限値を超えると、シャッタースピードが下がります。詳しくは、ISO AUTO低速限界とは:ISO 感度設定の話を。

 DRO/オートHDR:Dレンジオプティマイザー・オート

 手ブレ補正:入

 手ブレ補正調整:オート (焦点距離では補正していません)

 アプリ:未使用

 レンズ補正アプリを使用すれば、レンズごとに、あらかじめ設定した周辺光量や倍率色収差、歪曲色収差の補正ができます。また、使用レンズ名が書き込まれます。ただし、撮影時のピント拡大はできなくなります。

 レンズ補正:初期設定のままですが、自動補正対応レンズでないと機能しません。

  周辺光量補正:オート

  倍率色収差補正:オート

  歪曲色収差補正:切

レンズ: Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm/f2.4 

   F値:記載以外、全て開放(F2.4)での撮影です。

マウントアダプター:M42-Eマウントアダプター(ヘリコイド付き)

現像:Lightroom Classic (Ver. 9.2)

 写真により、ハイライトやシャドウなどの基本補正のみ微調整しています。トリミングはありません。

 

 

パンフォーカス撮影

 

護国神社の白梅

 

スナップ的な撮影の例です。

全域にピントが合って見えるパンフォーカス的な写りとなる絞り値を探してみました。ブロクで見る程度ではF5.6~F8で、拡大するならF11あたりから、パンフォーカス的になります。

 

以下の4枚、ピントは手前の白梅の左端に合わせています。色温度などの基本補正は、全く同じ現像処理です。

 

F2.4

やや4隅がケラれて、左上の空の青が濃くなっていますね。背景はそれほどボケていません。拡大するとわかりますが、奥にある本殿の屋根瓦の輪郭は不明瞭です。

 

f:id:Paradisia:20200301144410j:plain

 

F5.6

ケラレは少なくなります。奥にある本殿の屋根瓦の輪郭はややはっきりしてきました。ブログでみるスナップ写真としては、この程度でもパンフォーカス的です。

 

f:id:Paradisia:20200301144239j:plain

 

F8

ケラレは気にならなくなります。奥にある本殿の屋根瓦、拡大しても輪郭がはっきりしています。

 

f:id:Paradisia:20200303175311j:plain

 

F11

ここまで絞ると、ケラレはなく空の青は一様になります。拡大しても、奥にある本殿の屋根瓦はかなりはっきりしています。

 

f:id:Paradisia:20200301144251j:plain

 

過焦点距離 

このレンズ(f=35mm)の過焦点距離は、F8で5.1m、F11で3.7mです。

過焦点距離を使って撮影してみました:ボケとパンフォーカス(5)で紹介していますが、この位置にピントを合わせておくと、その半分の距離から∞までピントが合っているように見える写真が撮れるはずです。

今回、そのあたりの検証は無しです(笑)。

 

開放での撮影例

 

護国神社のしだれ梅

オールドレンズにしては、ピント面はくっきりし、ファインダーをのぞくと、朝日の当たる背景の梅がたくさんの玉ボケになっていました。肉眼では見られない玉ボケです。

 

f:id:Paradisia:20200229160201j:plain

 

青空とニッコウキスゲ

明るいレンズで、初夏らしい発色ですね。

背景にあるユリ、一日花なので乱れているのもあり、適度なボケは必要ですね。ただし、あまりボケると何かわからなくなるので、ユリとわかる程度になることがポイントです。

 

f:id:Paradisia:20200221191012j:plain

 

シャクヤクの花

縦位置で。背景はダイナミックにボケてくれました。やや色飽和し、にじんだようなボケです。

 

f:id:Paradisia:20200221190847j:plain

 

中国シャクヤクの深紫単紅片

開放ですが、シベはくっきり、周囲はちょっとグルっとした感じです。

 

f:id:Paradisia:20190527192757j:plain

 

周囲はやわらかいボケです。センターあたりがしっかり写るようで、日の丸構図がおすすめです。

 

f:id:Paradisia:20190527193209j:plain
f:id:Paradisia:20190527193156j:plain

 

以下の2点はRAWデータが残っていないので、撮影と現像条件は不明です。

 

呉羽山の紅葉

このまま保存したいほど、美しい落ち葉でした。

 

f:id:Paradisia:20200221190531j:plain

 

秋の五百羅漢

そこそこ広い範囲が切り撮れます。

 

f:id:Paradisia:20200221190545j:plain


トウツバキ・早牡丹

赤が色飽和しているようなので、ハイライトと白レベルをマイナスにしています。

 

f:id:Paradisia:20200229161320j:plain

 

トウツバキ・菊弁
 
名前のとおり菊のような咲き方です。花びらはにじむようなボケです。暗めの温室内ですが、ISO100、シャッタースピードは、1/1000秒です。
 

f:id:Paradisia:20200229160826j:plain

 

ヤマアジサイの名残り

強い光の反射で、真ん中の光の当たるところに、パープルフレアが出ています。

 

f:id:Paradisia:20200229162538j:plain

 

 

マクロ的な撮影例

ヘリコイドアダプターを使って、迫っています。以下の3点はRAWデータが残っていないので、撮影と現像条件は不明です。

 

干し柿

ピントの合う範囲はかなり狭くなっています。

 

f:id:Paradisia:20200221190641j:plain

 

裸婦坐像

水墨美術館に飾られている高村光太郎作の像です。輪郭がやわらかいラインになりますね。

 

f:id:Paradisia:20191125082836j:plain

 
クロッカス
 
氷見あいやまガーデンで。朝日が花びらを透かすようです。
 

f:id:Paradisia:20190302102013j:plain