レンズを絵筆に、光を絵具に

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真下から見る春の妖精たち:表面鏡での撮影

スノードロップにスノーフレーク、クリスマスローズやカタクリ。春の妖精たちはひかえめなのか、下向きに咲く花が多いですね。さすがに、アングルファインダーを使っても真下から花の顔は撮れません。

 

そんな時に便利なのが鏡です。ミラーレスカメラでミラーの使用ですね(笑)。ただ、普通の鏡だと、うまく映らない場合もあるので、表面鏡がおすすめです。

 

参考:いま頃便利なアングルファインダー

 

普通の鏡で撮ると

以下の2枚の写真は、普通の鏡の上の「桃色卜伴」というツバキです。α7R + Nikon Ai 105mm F2.8S マイクロで撮っています。

 

鏡に写ったツバキの花や葉っぱ、2重写り(ゴースト)になり、見にくくなっています。

 

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浮かぶ桃色卜伴

 上と下のツバキが密着せず、スペースがあって浮かんでいるようですね。ガラスの厚みの影響です。

 

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ぼける桃色卜半

 

 

普通の鏡は、ガラスの背面に鏡面処理をしています。反射膜が裏にあり、ガラスが反射膜を保護しています。その分、ガラスの影響を受け、反射した映像にガラスの薄い緑色が加わる場合があります。

 

また、斜めから入る光は、「反射膜で反射する光」に「ガラスの表面で反射する光」も加わり、ゴーストが生じるので、斜めから撮る場合には注意です。

一方、普段、鏡で顔を見る場合などのように、真正面から見た場合は、ほとんど気になりません。

 

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普通の鏡:光は2面で反射する


 

写真はスノーフレークですが、普通の鏡でも、ほぼ正面から(花の下に鏡を置いて、ほぼ真上から)だと2重写りは気になりませんね。NEX-6 + E 18-200mm F3.5-6.3 OSS での撮影です。

 

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スノーフレーク

広い範囲なので、直径50センチほどの、円形の大きな縁無し鏡を使っています。右にあるのはバラのアイアンアーチ。花の下に鏡を置いて、ほぼ真上からなので、自分が写り込まないようにするのがポイントですね(笑)。

 

 

表面鏡の場合

次は表面鏡です。表面反射鏡とも呼ばれます。光は表面で反射するので、ゴーストはありません。その分、表面の反射膜が汚れたり傷つきやすくなります。万華鏡や一眼レフカメラのミラーに使われています。

 

今回使用したのは、プラスチック基板に反射膜をラミネートした鏡です。

 

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表面鏡:光の反射は1回だけ


 

プラスチック基板だと、薄くて、割れないので持ち歩くのに便利です。

しかし、薄いのでぺらぺらして表面がゆがみやすく、壊れやすいですが、より正確に写すには、ガラスの表面鏡の方がいいでしょうね。

 

 

 

 

写真は表面鏡に写したスノードロップ。斜めからでも2重反射はありませんね。α7II +  SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSSです。

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庭のスノードロップ

 

 

次はカタクリ。実物もぼかして写しています。

真下から見ると、桜の花ような蜜標(ガイドマーク)が見えますね。これで、虫たちに蜜のありかを教えるのです。α7II +  SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSSでの撮影です。

 

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猿倉山のカタクリ

 

【失敗談】

この表面鏡、バッグに入れたまま持ち歩いていました。久しぶりに使ってみたら、擦れたためか表面にたくさんの傷がついてました。。。最初はカビかと思ったのですが、拭いても取れません。。。細かい傷、写真では鏡にピントがあっているわけではないので、はっきりしませんが、うっすらボケて写っています。

うっかりしていましたが、表面に反射膜があって保護されていないので当然といえば当然、取扱いに注意しないといけませんね。